まえがき
濃度は、小学6年で習うと思います、確か…。
計算が複雑で、文章問題になることも多いため、苦手な人はいるはず。
今回は、簡単に濃度を求める方法も紹介するので、興味のある人は下の方だけでも見てください。
とにかく答えは出せる方法なので、小学生、その保護者は必見です。
問題
いきなりですが、イジワルな問題です。
4%の食塩水と8%の食塩水を混ぜたら何%の食塩水になるでしょう?
次の二つから選んでください。
①12% ②6%
説明
算数や数学が得意であれば、「出題ミスだ!」と気付くはずですが、敢えて選ぶとすれば ②6%です。
「濃度は足せないから」とか「公式を使えばいい」とか、ざっくりした説明でも構わないとは思うんですが、そこを少し掘り下げてみます。
濃度の公式
とりあえず公式を確認です。
式が二つあるのは、分母の違いで、混ぜる前と後の違いです。
混ぜる前は「食塩+水」、混ぜた後は「食塩水」なので。
補足ですが、×100は置いておくと、濃度とは の「分数」だということを押さえておいてください。
これ、結構 大事です!
「一部」とは食塩だけ、「全部」とは食塩も水も。
濃度とは の「分数」なんです、これ暗記。
出題ミス
もう一度 公式を見てもらうと、「質量」と出てきます。
先に触れましたが、問題文には質量がないので、はっきりした答えは求められません…。
求めるには、(普通は)質量を知る必要があります。
つまり、濃度とは「質量の分数」
そもそも、分数って分母が揃っていないと足せませんでしたよね。
これは大丈夫ですよね。
分数は(通分しないまま)足し合わせることはできないんです。
となると、質量の分数である濃度も足し合わせることができません。
重ねて言いますが、濃度は足し合わせることができないんです、もともと分数だから。
にもかかわらず6%
それでも、①12%にはなりません。
数字だけ追いかけると見えにくいのですが、冷静に「濃さ」を考えてみてください。
濃い食塩水(8%)に薄い食塩水(4%)を混ぜて、さらに濃く(12%)なることはありません。
直感を働かせれば、濃いもの(8%)と薄いもの(4%)を混ぜるから、ちょっと薄まって②6%を選べませんか。
図にして考え直すと
その直感をもう少し「見えるかたち」にしてみます。
こんな濃度の天秤(てんびん)を考えてください。
4%と8%の天秤のちょうど つりあいの位置が6%になると思います。
薄い4%と濃い8%を混ぜて、6%に つりあうと考えてみてください。
とりあえず今は4%も8%も同じ質量として描いてみました。
でも、もしかしたら、4%と8%は同じ質量ではないかもしれませんよね。
それでも つりあいの位置を見つければいいんです。
つりあいの位置は「てこの原理」で見つけられます。
ここでは、「支点との距離×質量」と考えてください。
左右で つりあっているのがわかりますか?
計算すると、左辺(1×3)=右辺(3×1)です。
ひと まとめ
ここまでで、出題ミスと言った理由も、①12%にならない理由も なんとなく わかったと思います。
質量が示されていないため答えがはっきりしないこと、つりあいの位置が12%にはならないことを押さえてください。
改めて問題の設定
4%の食塩水を300gと8%の食塩水を100g 混ぜたら何%の食塩水になるでしょう?
解答
今度は質量が示されているので、正しく計算すれば答えが出ます。
ただし、公式どおりに求めると大変 複雑な計算になるんです。
どれくらい複雑かというと、
食塩の重さに変換してから求めているんですが、その説明は割愛します。
ここで、濃度の天秤を思い出してください。
つりあいの位置を見つければいいんですよね。
左辺(1×300)=右辺(3×100)とすれば、5%になりますよね。
とりあえず答えが出せればいい場合は、濃度の天秤が使えると思います。
あとがき
ちょっとでも わかったつもりになれば、この記事は目的達成と思って書いています。
ですが、実際に小中生をみていると、あと2~3問くらい練習しないと使いこなすことはできないようです。
練習問題として、2問 出しておきます。
2%の食塩水を200gと8%の食塩水を100g 混ぜたら何%の食塩水になるでしょう?
2%の食塩水を75gと8%の食塩水を150g 混ぜたら何%の食塩水になるでしょう?
答えは 上が4%、下が6%ですが、比を使えば少し楽に求められますよ。
他にも、ネット上で検索すればヒットするはずです。