まえがき
非裁量取引の実験中、さつま芋です。
投機は不確実性の典型でありながら、なぜか勝ち組(を自称する人)でさえ、「鉄板のチャートパターン」「勝てるインジケーターの使い方」などと相場の法則性を主張します。
確かに、その説明を聞く限りでは納得できるのですが、自分で実証するとなると見事なまでに上手く行かないのです。
これこそFXアルアルで、法則と現実が繋がらないのです。
一方では詐欺だと言われ、もう一方では経験不足だと言われる長年の論争です。
そこで、個人差の出にくい検証をしようと思い、プログラムで確かめることにしました。
今回は、比較的に単純な手法であるパーフェクトオーダーを選びました。
手法の優位性を検証するのではなく、機械的な判定結果を紹介したいと思います。
パーフェクトオーダーの条件設定
パーフェクトオーダー手法とは、移動平均線と呼ばれる複数のラインが既定の順番に揃っていることを条件に売買する取引手法です。
今回の検証では、1時間足チャートに3本の単純移動平均線(10期間、20期間、50期間)を適用しました。
序列だけでなく傾斜の条件も揃った場合に、その確定足(終値)でエントリー(新規注文)し、利確と損切はATR(14期間)を参考にした値を設定します。
比較するために、幾つかの通貨ペアを調べてみました。
結果
表にまとめる前に、一通りの様子を見てください。
通貨ペア | EURJPY | GBPJPY | AUDJPY | GBPUSD |
勝率 | 54% | 61% | 40% | 73% |
獲得値幅 | 180pips | 800pips | -540pips | 1710pips |
感想
少し話はズレますが、参考のためにコイン投げをしてみました。
30回 投げてみたところ、表と裏が50%から±10%も偏ることはありませんでした。
(偶然でしょうが、表15回で裏15回の50%でした)
それを前提にして話を戻すと、利確と損切を1対1にしたFXで、勝率が50%から10%近くも偏る以上、不均衡は存在しているように見えます。
ただし、その不均衡は法則の類ではない可能性があります。
つまり、自称プロが言うような「鉄板のチャートパターン」や「有効なインジケーター」とは異なります。
通貨ペア | EURJPY | GBPJPY | AUDJPY | GBPUSD |
勝率 | 54% | 61% | 40% | 73% |
獲得値幅 | 180pips | 800pips | -540pips | 1710pips |
確かに上に挙げた4つの事例だけをみれば、AUDJPY(豪ドル円)以外でパーフェクトオーダーが機能しているように感じますが、思い込みの可能性があります。
実は、同条件でNZDJPYやCHFJPYをみると、逆相関となっていました。
通貨ペア | NZDJPY | CHFJPY |
勝率 | 36% | 36% |
獲得値幅 | -540pips | -700pips |
もしもFXがコイン投げとは違い、50%に収束しない賭博であるならば、「鉄板のチャートパターン」や「勝てるインジケーター」と過去検証のコンボ(合わせ技)に若干の優位性があるかもしれません。
少なくとも、AUDJPY(豪ドル円)が今回の取引条件(勝率40%)になっても、私は便乗したくないですね。
まとめ
主観を排除することはできませんが、相場で勝てない人が多いことも踏まえると、パーフェクトオーダーは優位性というよりも不均衡だと考えられます。
通貨ペア | EURJPY | GBPJPY | AUDJPY | GBPUSD | NZDJPY | CHFJPY |
勝率 | 54% | 61% | 40% | 73% | 36% | 36% |
獲得値幅 | 180pips | 800pips | -540pips | 1710pips | -540pips | -700pips |
あとがき
「良く当たる宝くじ売り場」「うなぎと梅干の食べ合わせ」のような偶然の一致を深読みしすぎ(思い込み)してしまう現象をポアソン・クランピングと呼ぶそうです。
そんな思い込みは たとえプログラムとは言え、人間が扱う以上は完全には排除できません。
手作業の過去検証なら思い込み・個人差が影響するのは尚のことだと思います。
変な思い込みには注意したいですね。
以上、久々に本気投稿したさつま芋でした。