まえがき
世界で僅か数名の読者の皆様、こんにちは、さつま芋です。
ヒトの判断とは一部の人を除いて意外と心許ないみたいです。
『炎炎ノ消防隊』からの知識ですが、不意の災害に見舞われた時、正しい行動を取れるのは約1割だそうです。
ということは、9割の人は危険となります。
内8割は思考停止で立ち尽くすそうですが、恐ろしい…。
さて今回は、相場の中でもヒトの感覚は頼りないことを紹介します。
投機も賭博もしない人でも、読める程度の内容だと思います。
ヒトの感覚は曖昧
FXアルアルで、「あのとき、売りと買いを逆にしてれば勝てたのに…」という空想があります。
確かに そんな気はするのですが、実際に調べてみると大体が錯覚です。
不思議なことに、プログラミングで売り買い逆転したシミュレーションでも、両方とも負ける事例は簡単に確認できます。
次に示すのは、売りと買い二種類のトレードをした資金推移です。
条件的に同等となるように利確損切り共に同じ値幅(20ピプス、20銭)です。
細かい設定は割愛しますが、境界(ドル円の1時間足が高値更新したとき)でロングかショートするライントレード手法で、次は各々のシミュレーションです。
ロング(上向き)
ショート(下向き)
山谷の位置は それぞれ揃っていて、売り買い逆にした形跡は残っているのに、両方とも最終的に資金が減っています。
この理屈は後述しますが、逆の選択をすれば勝てるというものではないことが確認できたと思います。
相場の中で、ヒトの感覚は案外アテにならないみたいです。
負ける理屈
一般に、トレードとは継続するものであり、単独の結果を考えることは無益です。
トレードの継続を前提にすると、売り買い逆でも負けた原因は取引手数料(スプレッドコスト)です。
今回のシミュレーションでは、0.5ピプスのスプレッドで20ピプスの値幅を狙ったので、引き分け水準よりも勝率換算2.5%増しでなければ潜在的に資金が減っていきます。
俗に、これは過剰取引(ポジポジ病)と言われています。
そもそも、用いたライントレード手法に優位性がなかったわけですが、学ぶべきは過剰取引に極端な劣位性があることだと思います。
分析力不足で負けていると考える人は多いかもしれませんが、実際は過剰な取引で負けているのだと思います。
これらのデータを踏まえると、取引回数を制限することがFXの大原則だと考えます。
あとがき
相場に足を踏み入れてみると想定外の連続で、自身の思い込み(思考停止)を痛感します。
上で紹介したように「あのとき○○していたなら…」の多くは誤認だと思いますし、なかでも特にポジショントークの酷さを実感します。
あれが良い、これが良い、といったマーケティングが氾濫していますが、残念ながら本当に良いものは出回らないんですよね。
人気と本質は反比例です、きっと。
以上、さつま芋でした。