まえがき
こんにちは、さつま芋です。
いわゆるパラドクス的な想定ですが、「正しく努力すればFXで勝てるようになる」という助言があります。
「やっぱり勝てない」と反論しても、「まだ努力が足りない」と判定するわけですから、鉄壁の責任回避です。
それにしても、勝てないという帰結を否定してしまう考え方は危ういと思います。
ズレた例えですが、鉄棒の逆上がりを練習してもできない事実だって受容すべきです。
ということで、今回はコイン投げでも勝てる人と負ける人が生まれる様子を図示してみます。
コイン投げトレード(二項分布)
最近よく紹介しているOANDA証券のサイトですが、資産シミュレーションも用意されています。
FX、CFD用資産シミュレーション | OANDA FX/CFD Lab-education(オアンダ ラボ)
コイン投げの的中率は理論的に50%なので、勝率50%にして損益比が1倍(資産の1%)の損益シミュレーションをしてみました。
100万を初期値として、100回のコイン投げトレードをした損益シミュレーションです。
10人がコイン投げトレードをした結果が、10本の折れ線で表示されています。
注目すべきは、想定勝率50%(コイン投げ)でも勝った人と負けた人が分布したことです。
このシミュレーションでは、勝ったのが4人、引き分けが1人、負けたのが5人でした。
引き分けは困難(逆正弦法則)
確率の不思議なところですが、コイン投げトレードでも実際に勝つ人と負ける人は分かれます。
特筆すべきは、ずっと勝ち続ける人が少数いるところです。
資金シミュレーションの一番上側の折れ線だけを見てください。
常勝とも呼べそうな折れ線ですが、コイン投げの一例であることを忘れないでください。
もし、コインの代わりに経験則を使っていたら何を思うでしょうか。
おそらく、「100回を勝ち越すなんて、その経験則は(運ではなく)実力だ」と考えるはずです。
コイン投げの場合は運だと認識しても、経験則の場合には実力だと解釈してしまわないでしょうか。
それを踏まえると、何をもって実力だと判断すれば良いのか見当がつきません。
ちなみに、過去検証を過大評価する人も見かけますが、それならば自動売買ツール(の組み替え)で間に合いませんか。
あとがき
努力してもコインの的中率50%を変えることはできないように、努力でFXに挑むのは筋が悪い気がしています。
もしもFXに優位性があるとすれば、それは資金管理という名の資金力だと思います。
実際、世間的に不評のナンピンもマーチンも、結局は資金力次第です。
また、運に賭けるのであれば、損小利大の取引が妥当です。
現に経済指標の発表直後は値動きが大きくなる傾向は明白ですし、丁半博打にはなると思います。
〝破産の確率〟計算機 - Investment Tech Hack (abbamboo.com)
以上、さつま芋でした。