さつま芋の勉強日記

投機の勉強記録を中心に発信しています。

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【FX雑談】「劣位性」について思うこと

 

まえがき

こんにちは、さつま芋です。

 

確証バイアスと呼ばれる偏向した情報の取捨のため、人間は都合の良い情報を集めるそうです。

 

逆に言うと、都合の悪い情報は退けることになります。

 

そのため、FXという勝負事では負け方を探究しようという気にはなりにくいのかもしれません。

 

実際に優位性を語る人は多くても、劣位性に触れる人は僅かです。

 

今回はスプレッドの劣位性に触れてみたいと思います。

 

 

モンキーテスト

MT4のストラテジーテスターでは、スプレッドを指定してバックテストが行えます。

 

この機能を使って、ランダムなトレードをシミュレーションし、スプレッドの劣位性を観察したいと思います。

 

ドル円1分足のヒストリカルデータ(2023.010.2~2023.12.31)を使い、利確と損切を共に10ピプスとしたモンキーテスト(ランダムなトレード)を行いました。

 

取引量は最小の1000通貨に固定しています。

 

 

結果

モンキーテストの取引レポートを表にまとめます。

 

スプレッド 0.2 0.5 1.0
テストバー数 371,821 371,821 371,821
モデルティック数 13,689,152 13,689,152 13,689,152
モデリング品質 25.00% 25.00% 25.00%
不整合チャートエラー 0 0 0
初期証拠金 1,000,000.00 1,000,000.00 1,000,000.00
純益 -17,964.93 -82,187.20 -169,760.85
総利益 845,458.57 818,314.48 779,502.79
総損失 -863,423.50 -900,501.69 -949,263.64
プロフィットファクタ 0.98 0.91 0.82
期待利得 -1.05 -4.77 -9.80
絶対ドローダウン 27,203.81 82,228.20 170,747.85
最大ドローダウン 27,456.43 (2.74%) 83,655.57 (8.35%) 172,080.80 (17.19%)
相対ドローダウン 2.74% (27,456.43) 8.35% (83,655.57) 17.19% (172,080.80)
総取引数 17,132 17,228 17,324
売りポジション(勝率%) 8,654 (49.12%) 8,663 (47.29%) 8,705 (44.80%)
買いポジション(勝率%) 8,478 (49.81%) 8,565 (47.94%) 8,619 (45.42%)
勝率(%) 8,474 (49.46%) 8,203 (47.61%) 7,815 (45.11%)
負率 (%) 8,658 (50.54%) 9,025 (52.39%) 9,509 (54.89%)
最大      
勝トレード 162.84 162.84 162.85
敗トレード -164.14 -164.14 -164.14
平均      
勝トレード 99.77 99.76 99.74
敗トレード -99.77 -99.78 -99.83
最大      
連勝(金額) 10 (1,000.00 ) 15 (1,478.62) 15 (1,478.62)
連敗(金額) 14 (-1,379.05) 18 (-1,821.38) 18 (-1,821.38)
平均      
連勝 2 2 2
連敗 2 2 2

 

 

考察

勝率を抜き出して加工すると、次の通りです。

 

スプレッド 0.2 0.5 1.0
勝率 49.46% 47.29% 45.11%
劣位性 0.54% 2.71% 4.89%
勝率の理論値 49% 47.5% 45%

 

利確も損切も10ピプスなので、勝率50%との差分がスプレッドによる劣位性だと想定できます。

 

値幅から求めた理論値とも近い値になっています。

 

参考として、利確と損切の値幅を変えたときの結果も一部示しておきます。

(スプレッドは0.5ピプスに固定)

 

利確損切[pips] 10 20 30
勝率 47.29% 47.39% 48.77%
劣位性 2.71% 2.61% 1.23%
勝率の理論値 47.5% 48.75% 49.17%

 

なんとなくスプレッドの劣位性は認識してはいましたが、数字で見て驚きました。

 

普通に考えたら、相場分析で2~3%近くの劣位性を相殺し続けるのは困難だと思うのですが、FX先生は相場分析に積極的のようです。

 

ちなみにコイン投げシミュレーションをしたところ、3%の劣位性はモンテカルロ法を使っても絶望的でした。

 

 

あとがき

スプレッドだけを考えると、狙う値幅の狭いスキャルピングトレードは不利だと言えます。

 

とは言え、それでも勝っている人はいるわけですから、何か勝機はあるのでしょう。

 

【FX雑談】必要勝率 - さつま芋の勉強日記 (hatenablog.com)

 

以上、さつま芋でした。

 

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