さつま芋の勉強日記

投機の勉強記録を中心に発信しています。

MENU

思考過程を辿る京大数学 2018理系大問1

f:id:satsumaim0:20180927033726p:plain

 

京大数学2018理系

指導者ではなく受験者の立場で,下書きから答案にいたる過程を記してみます.

答案には不要なコメントなどもしながら,ともに学んで行きたいです.

 

問題

f:id:satsumaim0:20180927032800p:plain

 

確か,放物線が接する問題は何年か前にも出題されていたと思います.

 

下書き答案(1)

さて放物線ですが,係数によって上に凸なのか,下に凸なのかが変わります.

条件(i)より、 a > 0 がわかります.

下書きするとすれば,次のようなグラフです.

f:id:satsumaim0:20180927052506p:plain

イメージが掴めたところで,導関数を求め,接点の  x 座標を  t として連立方程式を作ります.

  y\prime = 2ax

  y\prime = 2b(x-1)

  y\prime = 2at = 2b(t-1)

  (b-a)t = b

  \therefore t = \dfrac{b}{b-a}

ここで, b  \neq 0 より、 b-a  \neq 0 を押さえておきます.

 

続いて,  y 座標から方程式を作ります.

 a c を用いて表すわけですから, b が使えないことに注意します.

  y = at^{2} = b(t-1)^{2}+c

  a( \dfrac{b}{b-a})^{2} = b( \dfrac{b}{b-a} -1)^{2}+c

  a( \dfrac{b}{b-a})^{2} = b( \dfrac{a}{b-a})^{2}+c

  ab^{2} = a^{2}b+c(b-a)^{2}

  ab(b-a) = c(b-a)^{2}

  (b-a)^{2}(c - \dfrac{ab}{b-a}) = 0

  \therefore c = \dfrac{ab}{b-a}

 

  (b-a)\{(b-a)c - ab\} = 0

  (b-a)\{b(c-a) - ca\} = 0

  \therefore b = \dfrac{ca}{c-a}

ここで, b  \neq 0 より、 c-a  \neq 0 を押さえておきます.

 

ここから, t を求めていきます.

   t = \dfrac{\dfrac{ca}{c-a}}{\dfrac{ca}{c-a}-a} = \dfrac{ca}{ca-(c-a)a} = \dfrac{c^{2}}{a^{2}} = \dfrac{c}{a}

 

あとは接点の y 座標を求めるだけです.

  y = at^{2} = a (\dfrac{c}{a})^{2} = \dfrac{c^{2}}{a}  

 

よって、求める接点は \boldsymbol{\left( \dfrac{c}{a} ,\dfrac{c^{2}}{a} \right) }

 

スタディサプリLIVE

 

下書き答案(2)

接点を x, y とします.

 x = \dfrac{c}{a} y = \dfrac{c^{2}}{a}  を見比べると,分数を使って a, c を消去できそうです.

  \dfrac{y}{x} = \dfrac{\dfrac{c^{2}}{a}}{\dfrac{c}{a}} = c 

  \therefore c = \dfrac{y}{x}

  \dfrac{y}{x^{2}} = \dfrac{\dfrac{c^{2}}{a}}{(\dfrac{c}{a})^{2}} = a 

  \therefore a = \dfrac{y}{x^{2}}

 

後はこれらを条件(i)に代入します.

   1+ (\dfrac{y}{x})^{2} \leqq 2 \dfrac{y}{x^{2}}

   x^{2}+ y^{2} \leqq 2y

   x^{2}+ (y-1)^{2} \leqq 1

 

この手の図示には大抵 除外すべき領域がつきものです。

そんな視点で見直すと, t  \neq 0 が見当たります。

私は見落としたのですが、 t  \neq 1 もあります。

 

以上をまとめて、図示すると次のようになります。

   \boldsymbol{x^{2}+ (y-1)^{2} \leqq 1 }

ただし,  \boldsymbol{x \neq 0} と  \boldsymbol{x \neq 1}

f:id:satsumaim0:20180927083648p:plain

 

まとめ

毎年,大問1は(京大としては)易しめの問題が出ています.

噂では,部分点はほとんど与えられず,完答が求められます.

 

私の見落とし  x \neq 1 のように,模範解答を見れば「あ そっか!」となることには,単なるミスだけではなく,知識の欠如もあると思うんです.

私が伝えられるのはここまでですが,もしお気づきの点があれば,ぜひ御教授ください.

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村