まえがき
こんにちは、さつま芋です。
FXは根拠の薄い情報が罷り通る不思議な業界です。
ときどき擦らせてもらうFXユーチューバーは、口頭だけで取引報告するスタイルで活動しています。
顔出しして億トレーダーを装いながら、実績が不確かな存在です。
さて今回は、「FXはゼロサムゲーム」を考えてみます。
ゼロサムゲーム
ゼロは(0)、サム(sum)は合計を表す言葉です。
つまり、ゼロサムとは合計するとゼロになるという意味です。
よって、ゼロサムゲームとは参加者の損・得を合計するとゼロになるゲームのことです。
通常のギャンブルは胴元の取り分が最初に引かれるので、マイナスサムとなります。
しかし、FXは業者の取り分(取引手数料)が小さいため、ゼロサムゲームと言われています。
単純な分配ではない
FXでは、ゼロサムゲームだと考えられています。
つまり、負けトレーダーの損失が勝ちトレーダーの収益だとする考え方です。
しかし、トレーダーの収益はトレーダーの損失分だけを分配しているわけではありません。
ここで為替の投機筋と実需筋に注目してみます。
どちらも扱う対象が通貨(1万円や1ドルなど)なので似ていますが、まるで換金と両替みたいに微妙な違いがあります。
かなり乱暴に例えると、投機筋が換金だとしたら、実需筋が両替です。
例えば、海外旅行で使わなかったドル紙幣の換金と、在日米軍が兵士に支払うドル紙幣の両替は微妙に意味が違うはずです。
換金と両替の目的が入り混じったような中での勝敗は、単純な分配とは異なります。
FXがゼロサムという考え方は、少し視野が狭い見方になっていると思います。
補足
補足として、資料も載せておきます。
為替は店頭取引、取引所取引、銀行間取引などがあり、一般的な個人のFXは店頭取引です。
まず金先協会の資料です。
quarterly_report_2022_3q_j.doc (live.com)
店頭取引は個人とFX業者の相対取引で、取引所取引は くりっく365の公的な取引です
次に、日銀の資料も載せておきます。
銀行間取引がインターバンク取引で、顧客取引が一般の個人や法人など顧客との取引です。
あとがき
これだけ複雑に入り混じった参加者で取引されているわけですから、「FXはゼロサム」というのも根拠薄弱です。
このように不合理を考えてみると、何か本質に迫るような面白さがありますね。
先日、億トレーダーを自称するFXユーチューバーが「わざわざ金額を見せる必要はない」「金持ちアピールする人に騙されないように」と言っていました。
自分を棚に上げているからなのか、含蓄があります。
以上、さつま芋でした。