まえがき
こんにちは、さつま芋です。
許容損失2%という資産管理が有名ですが、たとえ引き分けでも計算上は資産が目減りします。
今回は複利について考えます。
複利効果
もしも五分の勝負(損益比1倍で勝率50%)ができたとすると、許容損失2%(2%ルール)で1勝1敗した場合、資金100万円は次のように増減します。
始めに100万円 → 勝って102万円 → 負けて99.96万円
始めに 100万円 → 負けて98万円 → 勝って99.96万円
先に勝つか先に負けるかは関係なく、1勝1敗で引き分けても400円の目減りです。
2%ルールの中で引き分けるには、損益比を1.02倍にするか勝率を50.5%にする方法があります。
どちらも紙一重の違いにしか見えませんが、だからこそトレードが職人芸と称されるのだと思います。
1%ルール
2%の許容損失を下げて1%にした場合、同様に資金100万円の増減を確かめてみます。
始めに100万円 → 勝って101万円 → 負けて99.99万円
始めに 100万円 → 負けて99万円 → 勝って99.99万円
当然ながら、目減りは少し小さくなってマイナス100円です。
1%ルールの中で引き分ける方法は、損益比を1.01倍にするか勝率を50.25%に引き上げることです。
ここまでをまとめると、次の表になります。
許容損失 | 損益比 | 必要勝率 | 目減り |
---|---|---|---|
1% | 1.01倍 | 50.25% | 100円 |
2% | 1.02倍 | 50.50% | 400円 |
この表にFXの敗因が隠れていて、許容損失が大きいほど勝ち難いことが分かります。
取引回数
少し見方を変えて、取引回数を考慮してみます。
許容損失 | 損益比 | 必要勝率 | 目減り |
---|---|---|---|
1% | 1.01倍 | 50.25% | 100円 |
2% | 1.02倍 | 50.50% | 400円 |
許容損失1%を2倍すれば損失は2%となりますが、理論上の目減りは200円に留まります。
つまり、許容損失2%の勝負を1回するよりも、許容損失1%の勝負を2回するほうが合理的だと言えます。
実際、トレアイの上位陣には月間1万回以上の取引をする人が複数います。
取引回数を増やして複利効果も利用していると推測できます。
あとがき
相場予想や収支報告に比べて圧倒的に情報不足なのが資金管理です。
金融工学には遠く及ばない簡単な数学でも重篤な資金管理を知ることはできます。
基本的にFXはコンマ数%の勝負をしていることを踏まえると、負け方を知らないデメリットのほうが大きいと思います。
以上、さつま芋でした。