まえがき
こんにちは、さつま芋です。
認知の偏りの一つに、確証バイアスがあるそうです。
確証バイアスとは、自分に都合の良い情報を集めてしまう心理です。
これだけ聞くと、悪い情報も集めるべきだと考えるのですが、実際は無意識のうちに悪い情報を除外してしまいます。
例えば、「どうやったら勝てますか」という思考も一種の確証バイアスだと思います。
と言うのも、「どうすれば上手に負けられるか」までは考えないからです。
同様に、過去検証でも良い結果ばかりに注目しがちです。
今回は悪い結果も合わせて過去検証を示してみます。
検証内容
今回検証するのは、仲値となる9時55分の始値でドル円の買い注文を出す手法です。
決済の条件は、利確も損切りも10ピプスとしました。
細かい条件は割愛しますが、取引量を1万通貨に固定し、最終収益を曜日ごとに集計してみました。
検証結果
まず、数値で結果をみてください。
プラス収支を青、マイナス収支を赤にして表示しています。
TradeDayofWeek | Profit |
---|---|
Mon(月) | -17000 |
Tue(火) | -6000 |
Wed(水) | -6000 |
Thu(木) | 6000 |
Fri(金) | 4000 |
手法としては、木曜日と金曜日にプラス収支となりました。
考察と感想
上の表からは、この手法を仕掛けるのであれば木曜日か金曜日が考えられます。
しかしながら、裏のテーマが確証バイアスなので、次の図も見てください。
プラス収支を青、マイナス収支を赤にして図示しています。
図を見てみると、この手法は全体的に有利とは思えませんし、とりわけ月曜は分が悪いと言えそうです。
逆に、売り注文だったら勝てそうな気もしますが、それはまた別の話です。
ちょうど値動きの激しい時間帯ですし、スプレッドやスリッページも影響することが考えられます。
そもそも、想定と逆行することは日常茶飯事です。
ただ月曜日は週明けですし、円買いの実需かも…と空想を巡らせてみることはできますね。
備考
今回の検証はMT5のストラテジーテスターを使いました。
MT4よりも処理が速い気がします。
視覚化するのにRを使いましたが、実務的にはMT5だけで検証できます。
また、私が参考にしたMT5のサイトも紹介しておきます。
【超入門】MQL5 でEAを作ろうブログ (mqlinvestmentlab.com)
あとがき
統計なんかで勝てるんだったら…みたいなことを昔は考えていましたが、それも一つの確証バイアスだったと思います。
思うに、勝つ未来だけでなく負ける結末も同様に想定しなければならないところがトレードの難所です。
とは言え、連敗やドローダウンが主題になることは稀ですから、確証バイアスが実質的な参入障壁になっている感じがします。
以上、さつま芋でした。