まえがき
自称勝ち組トレーダーとは想像以上に胡散臭い人かも。さつま芋です。
気まぐれで、投機FXの自作サインツールをサラッと無料公開してみたのですが、相変わらず注目されませんでした。
少しでも皆さんの学びになればと思って、私自身の試行錯誤を発信していますが、どうやら暖簾(のれん)に腕押しだな…と。
「魚を与えるより釣り方を教えよ」という老子の格言は本質だとしても、釣り方の価値は広く伝わらないのかもしれませんね。
それは兎も角、2%ルールの盲点を紹介したいと思います。
2%ルールとは
2%ルールとは広く知られた投機の資金管理術で、許容損失額を口座資金の2%以内に収める考え方です。
例えば、100万円の資金に対し、負けたときに失うのが2万円以下となるような取引を意味しています。
言い換えると、損失額は固定でなく、口座資金との比率で調整しなさいということです。
通常、2%ルールの説明は大方 この程度のものですが、しかし、3%にしても構わないのか、1%なら安全なのか、などの素朴な疑問に理屈で答えるものではありません。
ともすれば、「リスクを取る性格ならば…」とか「小資金のうちは…」と腑に落ちない話に終始します。
実は、バルサラの破産確率表と同様に、許容損失比率も計算できます。
2%ルールの計算
公式っぽく口座残高を求めならば、初期資金A、勝率p%、許容損失比率a%、取引回数nとして、
=A*(1+a/100)^(n*p/100)*(1-a/100)^(n*(1-p/100))
になるのですが、実際に手計算するのは現実的ではないのでコピペできるようにエクセル関数を張り付けておきます。
初期資金[万円] | 100 |
勝率[%] | 50 |
許容損失[%] | 2 |
取引回数 | 20 |
口座残高[万円] | =B1*(1+B3/100)^(B4*B2/100)*(1-B3/100)^(B4*(1-B2/100)) |
2%ルールの盲点
盲点として、2%ルールの失敗例を示してみます。
初期資金[万円] | 100 |
勝率[%] | 50 |
許容損失[%] | 2 |
取引回数 | 20 |
口座残高[万円] | 99.6007 |
スプレッドを含めないリスクリワード(損益比)が1対1で勝率が50%だった場合、2%ルールでは資産は減少します。
また、許容損失比率(2%ルール)を変化させた事例も示しておきます。
初期資金[万円] | 100 | 100 | 100 |
勝率[%] | 51 | 51 | 51 |
許容損失[%] | 1 | 2 | 3 |
取引回数 | 20 | 20 | 20 |
口座残高[万円] | 100.3005 | 100.4008 | 100.3004 |
スプレッドを含めないリスクリワードが1対1で勝率51%だった場合、許容損失比率によって資金効率が違ってきます。
つまり、闇雲に2%ルールを守るのではなく、勝率などと合わせて最適化の計算をする必要があります。
あいにく勝率は自分で調整できないのですが、損小利大にするかカジノの掛け方(ロット管理)を試すと上手くいくことがあります。
あとがき
自称勝ち組トレーダーたちが、チャート分析だ、大衆心理だ、今後の相場展望だと言っているのは、本当に相場の秘訣なのでしょうか。
数学や集計ではなく、分析や経験でFXが勝てるという話が、私には全く腑に落ちません。
少し前の話で、ある勝ち組トレーダーを名乗るユーチューバーが、許容損失比率20%のチャート分析手法で100万円から7千万円の財を成したと動画でアピールしていました。
これをエクセルで計算すると、勝率60%ならリスクリワード1対2のトレードを38回しないと達成しないことになり、世界トップレベルに相当します。
=A2*(1+2*A4/100)^(A5*A3/100)*(1-A4/100)^(A5*(1-A3/100))
自己ブランディングしているのだろうとは思いますが、あまりの面の皮の厚さに驚愕です。
ま、こんな風に言ったところで暖簾に腕押しでしょうけれど。
以上、さつま芋でした。