さつま芋の勉強日記

投機の勉強記録を中心に発信しています。

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思考過程を辿る京大数学 2018理系大問4

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京大数学2018理系

指導者ではなく受験者の立場で,下書きから答案にいたる過程を記してみます.

答案には不要なコメントなどもしながら,ともに学んで行きたいです.

 

問題

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複素数というより確率の問題です.

 

下書き答案

複素数が出てきたので,とりあえず複素平面を描いてみました.

こんな感じに.

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結局,3か所を移動することがわかります.

次のように  P, Q, R として、遷移を考えます.

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  P_{k}=\dfrac{1}{2}P_{k-1}+\dfrac{1}{2}R_{k-1}

  Q_{k}=\dfrac{1}{2}P_{k-1}+\dfrac{1}{2}R_{k-1}

  R_{k}=Q_{k-1}

  \therefore P_{k}=Q_{k}

あとはこの確率漸化式を解いて  P_{n} を求めるだけです.

 P_{k}+Q_{k}+R_{k}=1 を使うと多少 計算が楽になります.

 

  P_{k}=\dfrac{1}{2}P_{k-1}+\dfrac{1}{2}R_{k-1}

  =\dfrac{1}{2}(1-Q_{k-1})

  =\dfrac{1}{2}(1-P_{k-1})

 

特殊解(特性方程式)を求めると

  P=\dfrac{1}{2}(1-P)

  \dfrac{3}{2}P=\dfrac{1}{2}

  \therefore P=\dfrac{1}{3}

 

 k \geqq 2 のとき

  P_{k}-\dfrac{1}{3}=-\dfrac{1}{2}(P_{k-1}-\dfrac{1}{3})

  =(-\dfrac{1}{2})^{k-1}(P_{1}-\dfrac{1}{3})

  =(-\dfrac{1}{2})^{k-1}(\dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{3})

  =(-\dfrac{1}{2})^{k-1}\cdot\dfrac{1}{6}

  =-(-\dfrac{1}{2})^{k}\cdot\dfrac{1}{3}

  \therefore P_{k}=\dfrac{1}{3}\{1-(-\dfrac{1}{2})^{k}\}

これは  k = 1 のときも成立する.

 

以上より,

  \boldsymbol{P_{n}=\dfrac{1}{3}\{1-(-\dfrac{1}{2})^{n}\}}

 

まとめ

確率漸化式は去年も一昨年も出題されました. 

そういう意味で落とせない問題だったと思います.

 

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